(2021年12月2日投稿)

解説

「台湾、天安門以来の最大の危機! ウイグル・チベットを大弾圧するジェノサイド北京オリンピックはボイコットせよ!」について解説いたします。

前回、ミャンマーやアフガニスタンで起きた軍事クーデター、そして台湾の危機的な情勢について解説しました。これらの情勢を考えると、現在、台湾では、これまでにない最大の危機が迫っていることは、もうお分かりかと思います。
中国の習近平は、今後の台湾侵略に対し、3段階の戦略を企てているのではないかと予測しています。今、台湾海峡を挟んだ中国本土の福建省では、台湾への上陸訓練を行い、それをテレビ放映して台湾を威嚇することを中国が行い始めました。この威嚇の狙いは、孫子の兵法における「戦わずして勝つ」謀略を行っているわけであります。

この企ては、台湾に「もう中国にはとてもかなわない」「武装解除して中国が言われるように一国二制度を受け入れるしかない」と思わせることを目的とし、台湾を威嚇する報道を強め、圧力をかけていくことにあります。この企てが習近平が考えている第1段階目の戦略と言えます。

習近平が考えている第2段階目の戦略は、「さらに軍事力を増強させ、台湾と中国との間に圧倒的な軍事力の差をつけていく」ことになります。台湾と中国との間に圧倒的な軍事力の差がつけば、台湾は中国に手が出せなくなります。
以前の解説で、台湾はアメリカからF16戦闘機を66機購入したことを説明しましたが、中国は今、台湾の軍事予算よりもはるかに大きな予算を使って軍事力を増強しています。

現在、中国と台湾との軍事力の差はどんどん開いています。中国が台湾に侵略した時、当然、アメリカを中心とした外国の援軍が来ることが予想されますが、軍事力に圧倒的な差がつくほど、ごく短期間で台湾を占領できるようになります。つまり外国から援軍が着く前に台湾を陥落できてしまうわけです。

一度陥落してしまえば、香港やミャンマー、アフガニスタンと同じようになってしまい、アメリカは何もできなくなります。今、習近平は台湾と中国の間に圧倒的な軍事力の差を作ることを2025年までに完成させようとしているわけです。


中国第3段階目の戦略は、2030年までにアメリカ軍との勢力逆転を実現することです。アメリカと軍事力で逆転してしまえば、中国はアメリカや世界の意向を無視し、やりたい放題できるわけです。つまり中国は、2030年までにアメリカとの軍事力を逆転し、やりたい放題の力を得ようと考えているわけであります。

こうした背景をよく理解しているのが蔡英文であり、そのため蔡英文は今、台湾の防衛力を急速に高めようとしています。台湾には人口2千3百万人に対しまして、50万人の軍隊がいます。日本は人口1億2千万人に対して自衛隊の規模は23万人です。いかに台湾が中国に対して危機感を持っているかがお分かりかと思います。


それから台湾は短距離ミサイルの製造に力を入れています。この短距離ミサイルは当然、中国の福建省を狙ったミサイルですが、実は台湾は長距離ミサイルも同時に作っています。この長距離ミサイルの狙いははっきり明言されていないものの、当然、北京になるでしょう。いざとなったら「首都・北京を狙うぞ」という、中国に対して強い意思表示をしていることになります。


このような台湾情勢の中、日本でも香港弾圧を契機として、報道姿勢に変化が現れはじめています。例えばNHKにおいても、「中国のやっていることは間違いだ」と報道し、それから朝日も香港弾圧に対する中国批判を言い出しています。


中国は2021年10月に入り、台湾の防空識別圏に1日で約50機を侵入させ、台湾への揺さぶりを一層強くしています。この緊張状態は年末年始以降さらに高まってくるものと思われます。
今、北朝鮮でさえも「PAC-3(パックスリー)」で撃ち落とすことが困難なミサイルを既に開発しています。このミサイルは直線上でなく波のような動きをするため、迎撃が極めて難しく、大変高度な科学技術を有しています。おそらく中国、もしくはロシアが技術提供していると推察されます。また中国においては航空母艦や空母を貫通して撃沈できる貫通弾ミサイルを保有しています。

それから中国は、大気圏外からマッハ20の速度で落ちてくる弾道ミサイルを保有しています。このマッハ20で落ちてくる弾道ミサイルを迎撃できる手段は、日本はもちろん世界にも存在しません。
「日本はパックスリーを導入しているからミサイル迎撃体制は整っている」と思われがちですが、マッハ20で落ちてくる弾道ミサイルに対しての対策はない状態であります。

このような状況であることを中国は十分に理解しているわけであります。中国の本格的な第1弾目の台湾への揺さぶりは2022年のの3月以降に行う可能性が高いと見ています。
それが香港のような攻撃になるのか、あるいはもっと違う形になるのかまでは分かりませんが、私は何らかの形で揺さぶりをかけてくると考えています。

中国が台湾に対しての揺さぶりをかけることで、「台湾がどのようなリアクションをするか」「どこまで台湾が本気で防衛するか」あるいは「アメリカがどのように動くか」「日本がどのように動くか」「イギリスあるいはフランスがどのように動くか」を知る狙いがあると思われます。

中国は2022年3月以降に何らかの揺さぶりをかけてくると私は予測していますが、実は習近平は自分が国家主席として在籍している間に台湾を統一しようとしています。このことは様々な報道でも発表されていますので、ほぼ間違いないことと思います。

今、日本政府は台湾防衛に対して支持のメッセージを送っていますが、そのメッセージが「心情的に支持します」というレベルなのか、それ以上なのかを中国は探りを入れてくるでしょう。
前回も説明しましたが、台湾危機は同時に沖縄危機、すなわち日本でもあります。当然、台湾に近い石垣島の多くの人々は、このような状況をよく理解しています。そのため、石垣島の人々が尖閣諸島に「沖縄県石垣市」と書かれた標識を立てようと政府に申請書を出したことがありました。しかし、政府はなんとこの申請を却下してしまいました。では政府が石垣島に代わって標識を立ててくれるかといえば、そのようなことは一切行ってくれませんでした。これには石垣島の人々も大変驚いたことでありましょう。


かつて中国全土を支配したモンゴル帝国は、ヨーロッパだけではなく、今のイスラエルやアフリカ圏まで支配を広げたことがあります。中国がヨーロッパ圏まで領土を広めたことは清の始皇帝時代にもありました。そして王朝が滅ぶたびに新たな王朝が生まれてきました。このように中国の歴史は、日本の単一王朝とは違い、支配の歴史でもあります。

この支配の歴史が何を物語るのかと言いますと、中国では「領土を拡大することは善、異民族撃退は善、支配することは善」という考えになります。この考えは世界の常識とはかけ離れていますが、世界の常識が通用しないのが中国であり、その考えが中国の文化として根づいているわけであります。


それから中国はコロナの次を考えています。本来、ウィルスは時間が経過すれば次第に死滅していきます。そして発生源の武漢から外に広がっていくほど、ウイルスは弱毒化していきます。それからウィルスの広がり方は通常、発生源の中心からその周りへと徐々に広がっていく動きをします。
ただし今回のコロナウィルスだけはいきなり国境を越え、海を越えて、なぜかアメリカで突然広まり、それからインドにまで飛び火しています。さらに発生源から遠く離れれば弱毒化するはずのウイルスが強毒化するというなんとも不思議なウイルスとなっています。

それから不思議なことに2020年に発生したコロナウイルスは、中国と猛烈に敵対している国で急増し、さらに強毒化しています。通常のウイルスと比較してありえない不自然な広まり方をしているため、アメリがは中国に対して警戒を強め始めています。


それからトランプ大統領が退陣した2021年以降、世界を見渡すと軍事政権が次々と誕生しています。同時多発で軍事クーデターが起きた場合、アメリカは手を出せなくなります。ミャンマーやタリバンの軍事クーデターでは、背後に中国の支援があることはアメリカもわかっていますが、アメリカの大統領がバイデンに変わったこともあり、介入しきれなくなっています。

これに対抗するためには、アメリカだけではなく、ヨーロッパ、オーストラリア、インド、そして日本が結束できるかが鍵になります。そして台湾がTPPに加盟し、中国をTPPに入れさせないことが本当にできるかも注目すべきところであります。

それから今、中国の国内を見てみますと、様々な問題を抱えています。まず経済的な問題を見ると、中国の平均所得は月収1万7千円ほどで生活しているため、貧困で苦しんでいる人は大勢います。中国国内が貧しいのに、中国は他国の軍事政権に巨額の支援をしているため、多くの中国国民が不満を持っています。

2つ目は、中国の国際的な孤立の流れが起きている点です。ウイグル・チベットの弾圧など、中国の実態が次第に世界各国で明らかになってきています。このような中、中国包囲網をつくろうと、世界の国々が動き始めています。

それから3つ目として、もし習近平の政策が失敗し続ければ、内紛が起こる可能性があります。そして4つ目となるのが、前回、説明したように、中国の侵略を止める大きなキーとなるのが日本の立ち位置であります。


日本政府は西側、民主自由主義圏の価値観の中で戦うことをはっきり明言することが大事になります。もし日本が中国的な価値観に丸め込まれるような未来になった場合は、世界は破滅へと向かっていきます。それから中国はロシアを巻き込もうとしていますので、ロシアを西側に入れる交渉ができるのは日本しかありません。日本が西欧とロシアとの間に入り込み、ロシアを自由主義圏に組み入れる交渉を行うべきであると考えています。

先ほどコロナの次があると説明しましたが、実は中国の山西省において、炭素菌の感染で9人が死亡する事故が起きました。2020年のコロナも中国の武漢研究所で漏れたのがきっかけで、世界が大変なことになりました。コロナは自然でできたウイルスという話もありますが、コロナは明らかに人工でできたものです。そして炭素菌はコロナと違って拡散する能力は低いわけですが、殺傷能力が極めて高いことが特徴です。


ところで、なぜ中国において、コロナや炭疽菌が漏れるという事故が続けて起きているのでしょうか。中国は2020年、「コロナを作っていない」「アメリカが仕掛けた」という話をしていましたが、結局、中国は自然発生説でうまくごまかしきれたところがあります。ただし表面上はごまかせても、「中国はおかしい」「中国が今もなおコロナを世界中に撒きちらしているのではないか」と疑い始めている国が出始めています。
そのため実は中国ではコロナを撒くことが少し難しくなってきているのではないでしょうか。当然、国によっても警戒レベルが異なり、一概に言えない部分でもありますが、マスコミに現れてこない、報道されないところにおいて、こういった戦いが今、起きています。


来年、北京でオリンピックが開催されます。本来、オリンピックとは平和の祭典であり、その平和の祭典を中国で行うわけです。今、中国はウイグル・チベットで大虐殺を行い、香港弾圧を実行し、さらに台湾まで奪おうとしています。つまり、中国で行うオリンピックは平和の祭典とは程遠く、「ジェノサイド・オリンピック」と呼ぶ人も出てきています。
このジノサイド・オリンピックに日本、そして世界の国々は参加してはいけないと私は考えています。日本は「台湾をけっして見捨てない」と明言し、「台湾を自由主義権の国々と共に守っていく」ことをはっきり明言する必要があります。


日本は本来、憲法9条を改正すべきですが、もう間に合わない段階まで危機は差し迫っているので、早急に台湾防衛法を整備し、中国の侵略に備える必要があります。

☆画像引用元:ウィキペディア
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☆音楽引用元:ニコニ・コモンズ
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