~トランプ大統領 待望のシグナル?トランプに見舞い電を送った金正恩の真相 FNNニュース考察
(2022年4月29日投稿)
解説
本日は、FMMプライムオンラインで紹介された記事、「北朝鮮がミサイル発射、新型兵器日本への影響は?」について解説いたします。
3月24日と4月16日、北朝鮮は大陸間弾道ミサイル(ICBM)を日本海に向けて立て続けに発射しました。特に3月24日の大陸間弾道ミサイルは、北海道沖の排他的経済水域(EEZ)内に落下しました。2月24日、ロシアがウクライナで特殊軍事作戦を開始して以降、北朝鮮はかつてない高い頻度でミサイルを連射するようになりました。
普通に考えれば、これは北朝鮮とロシアが共同作戦を取っているのではないかと推察できる訳でありますが、今回の北朝鮮のミサイル実験においては、北朝鮮の技術力では到底開発できない強力な新型ミサイル、極超音速ミサイルが発射されました。今回、発射された新型ミサイルは中国、もしくはロシアの新技術が使われていた可能性があり、この新型ミサイルは高度6千キロまで打ち上げてから高速で落ちてくる、いわゆるロフテッド軌道で発射されたミサイルです。
ロフテッド軌道で地上に落ちてくるミサイルの速度はマッハ20になります。今、日本が装備している迎撃ミサイル、パトリオットはせいぜいマッハ2か3の速度なので、これではロフテッド軌道で落ちてくるミサイルを迎撃することは到底不可能です。もしロシアの新技術が使われていたとしましたら、これは日本に対しての北朝鮮・ロシア・中国による三正面戦略を組まれていることになります。
それから金正恩は、「ウクライナに続き、東アジアで紛争が起きればバイデンの頭はパンクするだろう」と考えるだろうと思います。大陸間弾道ミサイルは高度6千キロから落ちてくるわけでありますから、当然この新型ミサイルはヨーロッパにも届きます。つまり金正恩の狙いは今、ロシアと紛争中のEUを同時に威嚇することが狙いだった可能性を秘めています。
ところで、北朝鮮によるICBM級のミサイル発射実験は、実は2018年以来、実に4年ぶりのことでした。2018年の6月に行われたトランプ大統領と金正恩との首脳会談の後、金正恩はICBM級ミサイルの発射実験をずっと中止していましたが、2022年に再開し、さらにかつてない頻度でミサイル実験を行うこととなりました。これを別の観点から見ると、バイデン大統領が就任して以降、金正恩はかつてない頻度でミサイル実験を始めたという見方ができるわけです。
今回の北朝鮮によるミサイル発射実験においては、一般に報道公開されている内容よりも、報道されないところに本当の真相が隠されているのではないかと私は考えています。
米朝首脳会談が最初に行われたのが、2018年6月12日になります。米朝首脳会談はシンガポールで行われ、歴史上はじめての米朝首脳会談となりました。
この会談で金正恩は、「あなたとははじめて会ったという気がしない」と述べたのです。そして金正恩はトランプのツイッターを愛読している話をしました。今回の米朝首脳会談で、「金正恩はトランプ大統領のツイッターの最も熱心な読者の一人である」ことが明らかになりました。
そしてトランプ・金正恩の首脳会談の後、金正恩はICBM級のミサイル発射実験や核実験を中止しました。ところで北朝鮮は、中国、いわゆる習近平から経済規模の9割にあたる支援を受けています。ただ、ご存知の人も多いかと思いますが、金正恩は習近平を全く信用していません。
習近平と金正恩の関係は、前総書記である金正日と反対で、金正恩の反中感情はまさに筋金入りだったわけです。いくつか例をあげますと、例えば金正恩は習近平を「でっか鼻の醜男(ぶおとこ)だ」「核ミサイルで威嚇して中国を千年の宿敵にしてやる」と罵ったことで知られています。それから親中派の代表格であり、金正恩の叔父にあたる張成沢(チャンソンテク)を処刑したり、中国の庇護の下で亡命生活をおくる金正恩の兄、金正男(キムジョンナム)を毒殺しました。
このように中国と北朝鮮の関係は、史上最悪と評される状況に悪化していたわけです。このような中国と北朝鮮の状況を考えると、習近平が突如、東アジアの平和実現と称して北朝鮮に攻め込んで征圧し、北朝鮮を中国の自治区にしてもけっしておかしくない状況でもありました。
実は金正恩が最も恐れていたことは、アメリカからの攻撃よりも、習近平が北朝鮮征圧に動き出すことでした。もし北朝鮮が中国に征圧された場合、習近平のこれまでの行動からも容易に想像できますが、金正恩は間違いなく粛清されることとなります。
これに対し、トランプの方はどうでしょうか。金正恩は、「トランプは一度約束をしたら約束は必ず守る男だ」「国と国との条約は必ず守る男だ」と考えていただろうと思います。そこで金正恩は、中国の習近平からアメリカにシフトし、北朝鮮の体制を守ろうと決断し、トランプとの首脳会談を決意したのではないかと思います。
一説によれば、金正恩とトランプとの会談では、密約が交わされたとも言われています。この密約とはどのような内容なのか気になるところですが、密約だからこそ、世間に公表されることはありません。しかしトランプが提案した密約に金正恩は了解したからこそ、継続して米朝首脳会談を行うことになったとも考えられます。
ここで最初に気になる点は、米朝首脳会談の開催地です。第1回目の開催地はシンガポールであり、第2回目の開催地はベトナムのハノイで行われました。開催地となったベトナムとシンガポールはどのような国でしょうか。
まず今回の開催地となったベトナムは、ベトナム共産党による一党独裁体制にあり、まさに北朝鮮と同じ政治体制です。ただしベトナムは北朝鮮と異なり、市場を開放し、国民は豊かになりつつあります。
またシンガポールは別名、「明るい北朝鮮」と言われています。シンガポールは選挙制度がありますが、人民行動党による一党独裁に近い体制で、政府を悪く言うと、逮捕される恐れがあり、むしろ社会主義に近い体制です。
しかし2022年度におけるシンガポールの名目GDPは世界第6位であり、日本(第32位)よりも高く、安定した経済成長を実現しています。シンガポールは社会主義体制が生き渡った国ですが、中国と違って国民の多くは豊かで治安はとてもよいのです。
このようにベトナム、シンガポールは北朝鮮と似た社会主義体制ですが、近年、発展してきており、国民一人一人も豊かになっています。トランプはこの二つの国を米朝首脳会談の場所に選びましたが、果たしてこれは偶然でしょうか。
あくまで仮説ですが、トランプは金正恩に対し、「北朝鮮はベトナム、シンガポールのような国になるべきだ。独裁体制を維持しながらも市場経済を導入し、国民が豊かになる方向であれば、アメリカもぜひ協力したい」と述べられ、金正恩はこの提案に納得したのではないかと考えています。
そもそも米朝首脳会談は、北朝鮮の隣国の大国である中国、それからシンガポールより大きな他の東南アジアの国、先進国のヨーロッパ諸国でもよかったわけです。しかしなぜか東南アジアの小さな国で社会主義体制に近いシンガポールとベトナムを選んだ訳わけです。
これは、「北朝鮮の将来のモデル国となるベトナムとシンガポールの現地を金正恩に直接見せたい。トランプが描く北朝鮮の未来像に合う場所で会談したい」とトランプが考えたのではないかと私は考えています。
もちろんこの密約は当然、世間に公表できません。例えば中国人民解放軍と深い繋がりのある北朝鮮兵がこれを知ったら、暴動やクーデターを起こす可能性が極めて高くなるからです。当然、習近平も黙っていることはないでしょう。
この米朝首脳会談以降、北朝鮮の核実験やICBM発射実験はぴたっと止まりました。さらに2020年、アメリカ大統領選の最中にトランプがコロナに感染したことがありました。この時、金正恩はなんとトランプに対し、見舞の電報を送りました。この電報はNHKで次のように紹介されました。
「一日も早く全快することを心より願う。あなたは必ず勝つ」
金正恩はトランプに対して、心からの激励をしたわけです。もちろん、金正恩がコロナ感染した外国の首脳に公の見舞電報を送ったのははじめてのことです。この電報からも分かるとおり、金正恩とトランプは親密な関係を結んでいたといえます。
しかしアメリカの大統領がトランプからバイデンに変わってから、米朝首脳会談の話がすっかりなくなってしまったわけです。世界の首脳たちも米朝首脳会談の話題すらしなくなりました。バイデン政権が就任して1年以上経過しても、米朝首脳会談の話は一切ありません。こうなると金正恩は、「トランプと約束した階段はどうなった」「バイデンはトランプ政権で約束したことを無視するのか」と当然思うわけです。
しかし本心を公に報道するわけにはいきません。そこで金正恩は2022年以降、ICBMの発射実験を再開し、かつてないミサイル連射を行うことで、不満を表す形になったと思われます。
一方、バイデン政権は金正恩のICBM発射実験の再開に対し、「金正恩は米朝首脳会談の約束を破って、ミサイルを打った。これは条約違反だ」と非難しました。しかし金正恩の側からすれば、「約束を破ったのはむしろおまえ(バイデン)の方だろう」ということになります。
ここで金正恩の新型ICBM発射の真意をまとめてみますと、一つ目として「北朝鮮はこの新型長距離ミサイルで日本だけではなく、EUそしてアメリカにも核を本気で打てるぞ」というシグナルが込められていると考えています。
それから二つ目として、アメリカに対して、「あのトランプとの約束は一体どうなったんだ」という不満が込められていました。そして三つ目として、ロシアのウクライナへの特殊軍事作戦以降にミサイルを連射したことから
「反バイデン」と同時に「親プーチン」の意図を世界に示すのが目的だったのではないかと考えています。
そして更に、もう一つの大切な意図も込められていると私は考えています。今、中国でウイグル・チベット・内モンゴルの弾圧が激しくなり、そして本格的な香港弾圧に踏み込みました。
これらの習近平の動きを見ると、習近平は次に北朝鮮を突然、制圧してくることも十分に考えられるわけです。イギリスとの条約を破って香港弾圧まで行った習近平の行動を見て、金正恩は「北朝鮮に対しても突如、中国が征圧してくるのではないか。習近平が東アジアの平和のために北朝鮮を制圧したと言えば、バイデンは一切、干渉せず、静観するだけ」と思ったのではないでしょうか。
もしアメリカの大統領がトランプであれば、習近平が北朝鮮に対して制圧に踏み切っても、必ず中国に対して対処してくるのは明らかです。しかし今のアメリカの大統領はバイデンです。約束した米朝首脳会談すら無視しているバイデンは、金正恩からしたら一切信用できないことになります。
金正恩は、「トランプは、国と国との条約は必ず守る男だ」ということはさすがに気づいているでしょう。金正恩にとって、本気で北朝鮮の存続を考えるのであれば、習近平よりトランプの方が信用できるわけです。
このことを踏まえると、ICBM連射には「アメリカ大統領にトランプが復帰してほしい」という意図も隠されているのではないかと考えられます。
このように今、世界情勢は、大変危険な状況におかれています。しかし日本はナイアガラの滝を直前にして、危険を察知せず、まさに漂流している状況にあります。さらに日本の大半の政治家たちが今、国家存亡の危機が近づいていることに、全く何も感じていない状況に見えます。
リーダーなき日本には今、決断力のある強いリーダーと国民の眼ざめが求められているのです。
☆画像引用元:ウィキペディア
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☆音楽引用元:ニコニ・コモンズ
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