~世界大戦を誘発するバイデン、ゼレンスキーに世界を委ねてはならない

(2022年5月19日投稿)

解説

本日は、「フィンランドのNATO加盟はさらなる危機を呼び込む!? 世界大戦を誘発するバイデン、ゼレンスキーに世界を委ねてはならない」という主題について説明します。


2022年5月12日、フィンランドのニーニスト大統領とマリン首相が「フィンランドはNATO入りするべきだ」という共同声明を発表しました。
これに対し、ロシアのペスコフ報道官は「フィンランドのNATO加盟は、フィンランドの安全保障に繋がらず、ロシアへの脅威となる」と発表し、さらに5月14日、スウェーデンもNATO加盟申請を表明しました。

フィンランド、スウェーデンがNATO加盟を希望するという表明に対して、ロシアの安全保障会議副議長のメドベージェフ氏は、次のように述べられました。

「スウェーデンとフィンランドがNATOに加盟すれば、ロシアはバルト海で陸海空軍を増強しなければならない。フィンランドとスウェーデンが賢明であることを望む。さもなければ、核兵器や極超音速ミサイルが身近にある状況で生活しなければならなくなる。核のないバルト海はなくなるであろう」

以前、カリーニングラードの特殊な地形、いわゆるロシアの飛び地領土について解説したことがありますが、今回のメドベージェフの発言は、この飛び地領土であるカリーニングラードに「核兵器や極超音速ミサイルが配備される」ということを主張したわけであります。

カリーニングラードとは人口95万人、国土面積は岩手県ほどの面積になります。元の地名は、ケーニヒスベルクと呼ばれ、大哲学者カントが生まれた場所として知られています。カリーニングラードは、バルト海において、不凍港の主要軍港があり、ロシアにとって極めて、重要な軍事拠点となっています。

またカリーニングラードを地政学的に観れば、太平洋上の日米における台湾の立ち位置と類似しています。これまで中国の潜水艦は、海底の浅い東シナ海のある第一列島線から太平洋沖へ出れずに、閉じ込められていました。なぜなら底の浅い東シナ海から底の深い太平洋側に出ようとすれば、すぐに西側、つまり日米のレーダーに探知されてしまい、東シナ海上の中国の潜水艦の行動が筒抜けになっているからです。

しかしもし、中国が台湾を支配し、第一列島線内を中国の支配下におけば、東シナ海は中国の領域となり、中国潜水艦の太平洋沖への出入りが自由になります。そうなれば、中国の潜水艦が太平洋を通ってアメリカ本土に近づき、核攻撃ができるようになります。そのため台湾は、「中国の核兵器搭載潜水艦が太平洋に出るのを防いでいる」という重要な役割を果たしていたのです。


台湾と同様にカリーニングラードも、ロシアにとって国防上、大変重要な拠点になります。今、バルト海周辺にある国の中でEUに加盟していない国は、スウェーデンとフィンランドになります。もしこの2カ国がEUに加盟し、カリーニングラードが欧州に封じ込まれれば、バルト海は完全にEUの領域となります。

つまりバルト海において、ロシア艦隊の動きを封じ込めることができるのです。今、紛争中のウクライナのクリミアには、ロシアの黒海艦隊の主要基地であるセヴァストポリ海軍基地があります。黒海上のロシアの主要海軍基地に続き、バルト海周辺においても同様の危機が起きようとしているのです。


NATOとは、米国と欧州諸国による集団安全保障、つまり軍事同盟です。例えばもし、NATOに加盟している国が侵略を受けたら、集団で守るという条約になります。そしてウクライナは2022年時点でNATOに加盟していないですが、NATOに加盟する話が進んでいました。

ではプーチンはなぜ、わざわざウクライナに対して軍事作戦を展開したのでしょうか。もちろんウクライナがNATOに加盟すれば、ウクライナの国境沿いにNATO軍や米軍がミサイルを配備し、もはやロシアの首都モスクワまで目と鼻の先です。極超音速ミサイルならわずか数分でミサイルがモスクワに到着する距離になります。もしウクライナがNATOに加盟していれば、ウクライナを攻撃するとNATOへの攻撃と見なされ、もはや欧米とロシアとの全面戦争になります。

ロシアにとっても欧米との全面戦争はどうしてもさせたいわけです。そのためロシアの安全保障のために、ウクライナがNATOに加盟する前にウクライナを叩くという狙いももちろんあったと思います。

ただプーチンの本当の考えはどこにあったのでしょうか。ではここでプーチンがウクライナに侵攻する際に、プーチンがゼレンスキーに対して、実際に要求していたことを紹介いたします。

プーチンは主に4つのことをゼレンスキーに要求しました。

「ウクライナ軍によるロシア系住民への人権弾圧や虐殺の停止」
「ウクライナとロシアの国境沿いにある米軍やNATO軍の兵器やミサイルの撤去」
「ドネツク州、ルガンスク州の自治を認めよ。ミンスク合意を守れ」
「ドネツク、ルガンスクの周辺からもウクライナ軍を撤退させよ」

これらのプーチンの主張は、欧米や日本のマスコミでは、まったく報道されていないため、大半の国民は知らないことでしょう。実はロシアが侵攻する以前から、ドネツク州、ルガンスク州の周辺をウクライナ軍が包囲していました。そしてウクライナ軍によるロシア系住民の虐殺や弾圧が始まる寸前であったのです。

このような状況の中、ドネツク州とルガンスク州に住んでいるロシア系住民がプーチンに助けを求めてきて、プーチンはロシア軍を編成し、ウクライナへの軍事作戦に踏み切ったという経緯があります。

実はウクライナ軍には、何年も前から国内で問題となっていたアゾフ大隊が編入されていました。このアゾフ大隊は、国連でも取り上げられるほど、深刻な問題でした。なぜかといえば、アゾフ大隊は以下の写真で紹介しているとおり、ナチスに酷似した旗を掲げています。つまりアゾフ大隊とは、ナチスを信奉していた組織であり、「ネオナチ」として国内で活動していたのです。

そもそもゼレンスキーは、「ネオナチ、すなわちアゾフ大隊を一掃する」ことを公約の一つとして選挙に大勝しました。アゾフ大隊の一掃を公約にして大勝するという事態、ウクライナ国内でアゾフ大隊の存在がどれだけ問題であったかは、お分かりいただけるでしょう。

しかしゼレンスキーが大統領に就任した後、アゾフ大隊を取り除こうとしたのですが、アゾフ大隊が思いのほか手強く、アゾフ大隊の問題を解決することができなかったのです。そこでゼレンスキーは、今度はこのアゾフ大隊を利用できないかを考え、なんとウクライナの正規軍に編入し、さらにロシア系住民の弾圧に使うことを行いました。


プーチンがゼレンスキーのことを「あいつはナチスだ」と述べたのは、このような理由があったからに他なりません。


このような背景を考えると、ロシアによるウクライナ侵攻は、国際法的にも合法であったと言えます。なぜなら国際法には「国民を弾圧・虐殺から守るための軍事侵攻は許される」ことになっているからです。

ここでもし、フィンランドがNATOに加盟し、ウクライナと同様にフィンランドとロシアの国境付近にNATOやアメリカのミサイルが配備されたら、ロシアはどのように動くでしょうか。これはもう明らかであります。フィンランドを挟み撃ちするうえで、カリーニングラードに核兵器や極超音速ミサイルが配備されるのは明らかです。

さらに万が一、クリミアの海軍基地がある黒海とバルト海がNATOによって封鎖された場合、以前に説明したとおり、極東いわゆる日本の周辺にロシア艦隊が集中することになります。つまり、ウクライナ問題に加え、フィンランド・スウェーデンのNATO入りは、日本の安全保障にとって他人事ではすまないわけです。


このようにフィンランドとスウェーデンにおいても、ウクライナと同様の状況におかれる危険性が高まったことになります。


ところで、この紛争で最も利益を上げているのはどこになるでしょうか。よく言われているのが中国です。しかし中国ではありません。確かに大きな戦略を見る限り、中国にとって有利に働いているのは間違いありません。ただ、現実的にこの紛争で最も大きな利益を得ているのは、アメリカの石油メジャー、軍産共同体、国際金融資本になります。

このウクライナ軍事作戦で、アメリカ議会は巨額の追加予算を承認しました。つまり武器の提供によりアメリカの軍事産業が巨大な利益を得ることになります。そしてロシアからの石油が止まり、代わりにアメリカの高い石油が欧州で使われることになり、アメリカの石油メジャーも巨額の利益を得ることになりました。

さらにアメリカの金融資本家は、ウクライナ紛争が始まった直後に、ロシア企業の株が急落したタイミングで株を購入しました。その後、ロシア経済が思いのほか堅調で、ロシア企業の株が急上昇し、金融資本家も巨額の利益を上げました。金融資本家は最初からロシアが踏ん張り、ロシア経済は安定していることを知っていたとしか思えない行動をとっていたのです。

またこの方法は、第二次世界大戦においてアメリカが恐慌を乗り切っている方法とよく似ています。第二次世界大戦前、アメリカは恐慌で苦しんでいました。しかし第二次世界大戦に突入することで大量の武器が消費されることになります。武器の大量消費が起きることによって、武器の需要が急増し、雇用が増えることになります。そしてアメリカ国内が潤いました。


かつてアメリカは、戦争特需で恐慌を乗り切りましたが、これと同じ兵法をバイデンは使っていることになります。このバイデンの策略は、トランプ前大統領とまったく異なります。トランプはアメリカの製造業を復活させ、雇用を増やし、堅調な経済発展で平和理にGDPを高めましたが、バイデンは全く逆になります。


しかしこの流れは、世界中を巻き込き、世界大戦を引き起こす流れに乗っていることに気づく必要があります。
ウクライナと同様、フィンランド・スウェーデンの中立化もまた、日本やヨーロッパの安全保障のみならず、世界各国の安全保障にも大きく繋がっています。このような国際情勢を理解した上で、日本は「国家的善悪とは何か」を深く考え、世界正義を実現する義務があると考えています。

☆画像引用元:ウィキペディア
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☆音楽引用元:ニコニ・コモンズ
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