~欧米の黒歴史、仕掛けられた近代戦争の実態に迫る
(2022年4月4日投稿)
解説
2001年、アメリカと中心とする多国籍軍とアフガニスタンとの実際の戦争は3ヶ月ほどで決着がつき、多国籍軍の勝利となりましたが、戦争終了後もアメリカ軍は2001年から2021年までの20年間、アフガニスタンに滞在し続けました。
多くの人は、「アフガニスタンに20年もアメリカ軍が滞在する必要があるのか」と疑問に思うでしょうが、実はこの20年間、アメリカ一国だけで国家予算248兆円も費やしています。アフガニスタンという国はGDPの規模からすれば世界の中でも小さな国であり、世界最貧国の一つとして知られています。
果たして本当に、アフガニスタンの復興予算とはいえ248兆円、1年で換算すると12兆円の予算が本当に必要だったのでしょうか。そして20年経過した現在もアフガニスタンの復興は進んだとは言えず、国民の生活は貧しいままです。ではアフガニスタンの復興予算はどのように使われてきたのかと言えば、アメリカ軍産共同体への巨大な利権が発生していたわけであります。
さらに2021年の8月末にアメリカ軍が撤退開始した直後、アフガニスタンでクーデターが起き、2001年に敗北して崩壊したはずのタリバンが再び政権を奪取してしまったのです。しかもアメリカ軍は10兆円規模のアメリカ製の兵器までタリバンにそのまま乗っ取られてしまいます。
しかしご存じのとおり、バイデン大統領はアメリカ軍を派遣することなく、10兆円のアメリカの兵器もそのままタリバンの手に渡ってしまいました。ではなぜバイデンはアフガニスタンに軍事介入せず、10兆円の兵器を取り戻そうとしなかったのでしょうか。このことについては、「わざとアフガニスタンに火種を落として、再び紛争を起こして軍需産業が儲けようとしているからだ」という意見もあります。
この件についての真相は闇の中ですが、よく言われていることとして、「ネオコンいわゆる軍産複合体は、世界で戦争あるいは紛争が起きないと武器が消費できなくなり、利益を上げることができない。戦争・紛争が起きると、一気に巨大な利益を上げられるので、10年に1回は戦争を起こすように仕掛けているのではないか」という陰謀説があります。
この陰謀論については、事実かどうかは定かではありませんが、現実を直視しますと、確かにそのように思える行動がうかがえるのも事実です。
例えば、2003年に起きたイラク戦争において、「この戦争に大義名はあるのか」ということは、アメリカの同盟国であるヨーロッパ諸国からも言われていました。イラク戦争の大義名分については、当時のブッシュ大統領は、「アルカイダの背後にフセインが国をあげてバックアップしている。これではいつまでたってもテロ攻撃が終わらない」というのが一つ目の大義名分として答えていました。もう一つの大義名分が「イラクに生物化学兵器、いわゆる大量破壊兵器がある」ということです。
この二つが「アメリカ・イギリスがイラクに戦争を仕掛ける大義名分だ」と主張していたわけでしたが、結局、イラクがアルカイダに資金援助していた証拠も大量破壊兵器も見つかりませんでした。
そして世界中からイラクの話題が忘れ去られようとした2008年、米国国防省は「フセインとアルカイダは無関係だった。大量破壊兵器は存在しなかった」とする報告書をまとめました。つまりこれは、米軍当局がブッシュ政権のイラク戦争の開戦理由を自ら否定したことになります。
ただこのイラク戦争において、イラクの巨大な石油利権がアメリカの石油資本の手にまるまる入ることになりました。つまりブッシュ政権のイラク戦争の真の狙いがイラクの巨大な石油利権を手に入れることにあったことは言うまでもないことでしょう。
このように近現代における欧米の間違った戦争を例にあげましたが、もちろん欧米が全て間違っているわけではなく、正しい判断をすることもありますし、プーチンはそれをよく理解しています。プーチンはトランプ政権と親しかったことからも、アメリカそのものを敵対視していたわけではなく、アメリカと協調してやっていこうとしていたことは明白なわけです。
それから、ロシア祖国を見てみますと以前に説明したように、ソ連が崩壊した時、ユダヤ系資本家によるロシアのエネルギー利権が奪われそうになった事実があります。実はソ連崩壊後に誕生した最初の大統領であるエリツィンは、グローバリストだったのです。
グローバリストである以上、エリツィンはネオコンやユダヤ系資本家と深い繋がりがあります。エリツィン大統領は民営化した祖国ロシアのエネルギー産業をユダヤ系資本と提携して運営していくことを決めていたわけです。
ロシアはアメリカを超える世界第一位のエネルギー大国です。ロシアの巨大なエネルギー利権が手に入るため、ユダヤ系資本家には巨大な利益が入る計画でした。しかしプーチンがロシアの新大統領に就任したとき、「どうして我が祖国の大切な資源を他国に渡さなくてはならないのか」ということで、断固これを拒否し、再びエネルギー産業を国有化しました。これでロシアの巨大なエネルギー利権がユダヤ系資本家たちに入らなくなったのです。
私は、ネオコンがプーチンを失脚させる考えが本格的にはじまったのは、この頃からだったと考えています。プーチンがロシアの実権を握っている限り、ロシアの巨大な利権がいつまでたっても手に入れることができません。そこでネオコンは、プーチンを失脚させ、エリツィンのような親欧米派の大統領を誕生させ、ロシアの巨大なエネルギー利権を手に入れようと企てることとなります。この延長上にウクライナ紛争が起きたわけです。
これまで説明した背景を見ると、プーチンはアメリカやヨーロッパと戦おうとしてたわけではなく、祖国ロシアを護ろうとしていただけだということがお分かりと思います。つまりプーチンは、グローバリストではなくてナショナリストだったわけであります。
ナショナリストとは、トランプが新大統領に就任したとき、「アメリカファースト」と語っていました。これは大半のマスコミが主張するように「祖国の発展を第一にする」という考えでもありますが、実はもっと大きな別の意味が込められています。それはかつてのアメリカの歴史が長年行ってきた、「他国への行き過ぎた干渉を止める」という意味です。
つまりアメリカは、これまで行き過ぎた干渉を行ったことにより、他国の主権を侵害し、権益・利益を横取りする結果となりました。トランプは「アメリカは金輪際、行き過ぎた干渉を止める。各国が自分の判断で行動し、自由に発展してください」という本音が込められていたのです。
このトランプの考えは、まさにプーチンの考えと一致するわけですが、「祖国第一」の考えをナショナリストと言います。いわゆる「アメリカファースト」「ロシアファースト」あるいは「日本ファースト」の考えであります。
またネオコンがプーチンを嫌う理由として、長年、ロシアの最高権力を握っていたプーチンへの嫉妬があったのではと考えています。2012年から2016年の間、2期連続で大統領を務めたプーチンからメドベージェフに委任しましたが、実質的にはプーチンがロシアの巨大な権力を握っており、メドベージェフはプーチンの傀儡政権だったわけです。
ロシアでは憲法上、3期連続して大統領になれないため、一時期、メドベージェフが大統領に就任しましたが、2017年から再びプーチンが大統領に再選しました。
すなわち、メドベージェフの傀儡政権時代も含め、実にプーチンは20年以上、ロシアで最も強い影響力を保持していたわけであります。ただプーチンがこれほどの影響力を持てる理由は、プーチンが習近平のように国を独裁して国民を押さえつけているのではなく、プーチンは選挙で国民から圧倒的な支持を受けて、大統領に選ばれているからです。
ではなぜ、プーチンはロシア国民から圧倒的に支持されているのでしょうか。ソ連が崩壊してロシアに変わった当時、ロシア経済がガタガタ状態で国家破綻寸前でした。そのロシア経済を奇跡的に立て直したのかプーチンだったからです。
そのプーチンの功績をロシア国民はよく知っています。だからこそ、プーチンは90%近い驚異的な支持率をずっと保ってきたわけです。そのようなプーチンへの圧倒的な権力に対し、欧米首脳やネオコンたちの嫉妬が起きないわけはありません。
この感情に加えて、ロシアの大統領がエリツィンだったら巨大な利権が取れたのに、プーチンという悪者がいるから巨大な利権を手にすることができない。そこでネオコンは20年をかけ、あの手この手を使って、ロシアがウクライナを攻めざるを得ない状況を作っていったというのが真相であると私は考えています。
ロシア・ウクライナ紛争が始まった当初、バイデン大統領は「これは民主主義対専制独裁国家との戦いだ」と主張していました。しかし今、起きているロシア・ウクライナ紛争は「民主主義対専制独裁主義」ではありません。なぜならプーチンは欧米諸国と協調してやっていきたいと考えており、アメリカと覇権を争い、戦おうなんてこれっぽっちも思っていないからです。
この点は習近平と全く異なるところです。習近平は明らかに世界支配を考えていることは、皆様もご存じでしょう。プーチンが世界の覇権を握ろうとしていないことは、トランプ大統領が就任していたときのプーチンの行動や発言を観れば明らかです。本当にプーチンが世界の覇権を握ろうと考えていたら、トランプ大統領時代もアメリカを敵視していたはずですが、明らかにこのとき、プーチンとトランプは協調していたわけです。
では今、世界で一体、何が起きているのでしょうか。それはバイデン大統領が主張したような、「民主主義対専制独裁国家の対決」ではなく、「グローバリズム対ナショナリズムの戦い」が、ウクライナ・ロシア紛争という形をとって、代理戦争が起きているということになります。
トランプ前大統領は、「アメリカファースト」を就任時に語っていましたが、同時にトランプは北朝鮮への制裁を強め、そして中国と本格的に戦うと同時に、アメリカ国内にいるグローバリズムとも対決していたのです。
トランプが戦っていた国内にいる敵とはまさにネオコン、グローバリストのことですが、このネオコンと長年戦ってきたのがプーチンでもあります。つまりトランプとプーチンは、世間の目にはけっして現れることのない、共通の敵と激しい戦いをしていたのです。
そのため、トランプにはプーチンの考えていることがよくわかり、プーチンもまた然りです。プーチンがウクライナ侵攻を開始した理由がトランプにはよくわかったわけです。だからこそ、プーチンがウクライナに侵攻した時、トランプはプーチンを批判するどころか、「プーチンは軍事の天才だ」と主張したわけです。トランプにはプーチンの本意と行動がよく理解できたことになります。
もし今回のウクライナの侵攻において、もしロシアの大統領にトランプが就任していたら、トランプもプーチンと同じようにウクライナに対して攻撃を仕掛けただろうと私は考えていますし、他の一部の言論人の中にも同じことを発言していた人もいました。
このように、ウクライナ侵攻の背景には、ディープステート・ネオコンの陰謀があり、プーチンを失脚させるためにウクライナ国民が犠牲になっているというのが真相でもあります。
☆画像引用元:ウィキペディア
https://ja.wikipedia.org/wiki/
☆音楽引用元:ニコニ・コモンズ
https://amachamusic.chagasi.com/





